“Shreds” ネタと、ちょっとした警鐘

動画投稿サイトの YouTube でちょっと前から流行っているらしいネタで、「shreds」シリーズがあります。音楽(特にギター)関連なのですが、有名なプレイヤーの映像にアマチュアが即興風のヘンな音をオーバーダブしたものです。

ちなみに shred というのは、口語では動詞として「ブイブイ言わす」くらいの意味に使うことが多いですね。あまり辞書には載っていない語義ですが、destroy とか rip などと同様です。ネット上の質問サイトにこのネタが上がったこともあるようですが、回答はだいぶ的外れでした。もちろん、「シュレッダにかけたような細切れ」という意味の名詞としても成り立つので、そういう2重の意味づけもあるのでしょう。

StSanders という人がこのパロディを始めたらしいですが、パッと見では音と映像が別だと分からないくらい良くできていて、でも明らかにヘンな演奏で、けっこう面白いんです。例えば「Eric Clapton shreds」なんてタイトルがあって、確かに映像の指の動きに合っているような音なんですが、クラプトン様、酔っ払ってるの?と思うような怪しい演奏で。

ただ、分かりにくいパロディというのは困りものです。動画のコメントを見ていると、「こいつは祭り上げられただけのインチキロックスターで、本当はただの下手糞だってことが良く分かった」なんて言う人がいます。きっと、音楽を聴く耳はあるけれども、誰でも動画をいじれる時代の恐ろしさへの認識が弱い人なのでしょう。逆に、「いつもと違うけど、なんだか素敵」とか、もっとひどいと「やっぱり彼のプレイは最高!」とコメントする人もいます。投稿映像だけでなく、ここまでひっくるめて完成する壮大なネタだとしたら、なんと言うか、ブラックすぎます。

とは言え、これらの動画はちゃんと「Comedy」分野の番組として配信されているようですし、確認しないで盲信する方が悪いです。だって、考えてみて下さい。ニュース番組をキャプチャして、キャスターに合わせて口パクで別の内容をオーバーダブ(アテレコ)して、あるいは海外ニュースにインチキな字幕を付けて、場合によっては画面内のヘッドラインや挿入映像を動画編集ソフトで作り変えて、それを YouTube にアップロードする、なんてことは個人レベルで可能なのですから。

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