「環境にやさしい車に乗り換えて、

今あなたが乗っているような時代遅れのゴミはどんどんスクラップにしましょう」

なんていう冗談みたいなキャンペーンが政府主導で行われるとは、日本のお笑い文化も成熟したものです。

技術の進歩は結構ですが、ハイブリッドにしたところで蓄電池の製品寿命が内燃機関に劣るという課題は未解決です。自動車の代替サイクルや蓄電池の成分自体が持つ環境負荷要素までは考慮されていないということです。要するに、エコの名を借りた内需拡大政策だということですね。高効率で環境負荷の少ない自動車を考えると、やるべきことは他にも色々とあると思うのですが。

  1. エア家族の禁止
    「ひょっとしたら大家族で出掛けることがあるかもしれないから」という理由での7人乗り自家用車、無駄です(本当に普段から大家族の方は除いて)。いざ出掛ける時に都合が合わない人や都合を合わせてくれない人がいれば、空席の分だけ空しさが募ってしまいます。どうしても必要な時にはレンタカーにしましょう。慣れていない車はおっかないと思うかもしれませんが、慣れている車に普段の3人増しで乗るのも十分危ないです。それか、家族で汽車に乗りましょう。お父さんもビール飲み放題です。
  2. AT禁止
    いつの間にか、日本は凄い勢いで世界最大のAT天国になりました。でも、技術が進歩したとはいえマニュアルトランスミッションの方が燃費が良いことが多いです。伝達効率が高いのと、トランスミッションの重量が軽いためです。ATしか作らずにエコエコ言うのは自動車メーカーの欺瞞でしょうか?
  3. 過剰装備禁止
    スピーカーやら電子機器やら、装備が充実するほど車は重くなり、燃費が悪化します。「これは車ではなく、音楽箱だ」なんていうキャッチコピーのモデルを作っているメーカーが一方では政府の補助金を出汁にハイブリッド車をガッチリ売り上げていますが、やっぱりそのくらいの二枚舌を使えるようでないと世界は獲れません。
  4. 軽規格の廃止
    数度の規格拡張を経て、軽自動車はもはや軽くもないし燃費もよくありません。リッターカーくらいの方がバランスが取れているようです。税金が異常に安いのは、同じ道路を使う他の車が負担しているからです。小さい車は他にもありますし、自動車の所有コストを抑えるのであれば生活保護や地域支援といった福祉行政レベルで対処するべきです。軽規格が生んだ偉大な車は、ジムニーだけです。乗ったことはないですが。
  5. 安全装備禁止
    衝突安全ボディとか、広いクラッシャブルゾーンとかは、車を重くすることが避けられません。エコのためなら体を張りましょう。第一、事故って乗員が無事でも相手が無事とは限らないので、あんまり意味がありません。昔は「走る棺桶」と称される車も色々とありましたが、概して燃費は良かったですし。
  6. 外圧禁止
    これ以上排出ガスを削減するのが無理難題だという指摘もあります。なぜなら京都議定書の時点で日本は既に過去の公害の反省から環境技術がそこそこ成熟しており、これ以上の大きな伸び代がないからです。一方、その時点で色々とダダ漏れにしていた国が発展途上だからという理由で削減義務を免責されたり、今もそれなりに垂れ流している国が余った排出権を日本に売っている訳です。これは日本の外交レベルでの失策であり、その責任をうやむやにしながら庶民の台所にツケを持ってくるのが間違っています。もう少し外圧に対して免疫があれば、アメリカのように議定書から離脱するという選択肢もあるのでしょうが。

でも実のところ、私はそんなにエコエコ祭りに興味がないんですよね。もちろん環境を破壊しちゃいけませんが、「環境にやさしい」という言葉もずいぶんと、環境にタメ口きけるほど人間って偉くなったの?と見えてしまいますし。地球46億年のスケールで考えれば、気温が100度くらい上がっても下がっても適応する生物はいるんでしょうし。

人間であれ、1寸の虫であれ、その生命活動に伴って環境負荷は発生するものです。その中で、今日も自分のために燃えてくれた石炭紀のシダに感謝しつつ、そこから何か創造的な価値を生み出せれば最高だなと思います。

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