飛行機事故からの教訓

最近よく、飛行機事故の検証番組を見ています。飛行機は特に公共性の高さと運行管理の高度さ、そして事故被害の甚大さのために、日々の運行記録や万一の際の結果検証が徹底しています。そのため、他の分野でも業務管理や危機管理の手本とされることが多くあるようです。

飛行機も乗り物というくくりにおいては私の専門分野である自転車と同じなので、機械として興味がありますし、またそうした機械がどのようにして故障するのか、それにどう対処して事故を回避できたり、あるいは被害を拡大させてしまうのか、とても勉強になります。勉強という点では、私の英語の勉強にも役立っています。たまに単語が聞き取れなくて発狂しそうになりますが。

自転車と飛行機の共通性などという途方もないハッタリをぶち上げたからには、一応それに沿った例を紹介しましょう。自転車でもメートル法の単位とヤード・ポンド法の単位が混在して厄介だというのはご存知の方が多いでしょう。タイヤサイズの規格ですら 650C とか 26インチとかが併存していますし、例えば BMX のようにアメリカ発祥のジャンルだと、トップチューブ長などフレーム各部の寸法もインチ表記が多いです。さらに細かい例としては、オーバーサイズのステアリングコラム直径は 28.6mm だとしばしば思われていますが、元が 1.125インチという規格なので、28.575mm が正解です。微妙な差ですが、部品の設計者がこれを知らなければ、フォークとステムの嵌め合いに影響を及ぼすには十分な違いと言えます。単位の換算というのは言語の翻訳などと違って本来は明瞭かつ確実なものですが、それでも、その一手間が問題につながることもあるという例です。それが、ハイテクジェットであっても。

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以下ネタバレ付き解説

エア・カナダのボーイング767旅客機が、謎の燃料不足により行程半ばでエンジン停止、グライダー状態で小規模な空港に着陸を余儀なくされる。しかもそこは、ドラッグレース場に改修されていてもはや空港ですらなかった。さらに、進入時の高度調整のためにパイロットが取らざるを得なかった手段は「サイドスリップ」、車に例えれば直ドリである。旅客機では前代未聞と言っていい操作だった。奇跡的に人的被害は避けられ、事故原因調査が行われる。そこで浮上した要因は、単位換算の間違いだった。ボーイング767は、エア・カナダにとって初めてキログラム単位の燃料計を採用していた。旧来はパウンド単位であったため、地上での給油時に容積から重量への換算でミスがあった。誰のせいとも言い切れないミスであり、その後は社員教育プログラムの改善などの対策が取られた。ちなみに、後日シミュレータで状況を再現して数組のクルーが挑戦したが、全てクラッシュに終わった。

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