ドアクローザーに学ぶ

最近、何かと家関係の工作というか補修に手を染めています。特に、ドアクローザーをいじくっているうちにグイッと悟りを開いてしまい、新たに得た知識に興奮して夜も8時間くらいしか寝られません。

ドアクローザーというのは、建物の入口ドアによく付いている部品です。大抵はドアの上部、屋内側に牛乳パックより一回り小さいくらいの箱が取り付けてあり、そこからくの字に伸びる腕がドア枠につながっています。開けたドアをバネの力で勝手に閉じてくれるというのが第一の機能で、また閉じぎわでスピードを落とし、バタンと勢い良く閉まるのを防いでくれます。さらに、多くの場合、開けきったところで保持する機能もあります。

で、このクローザーが壊れていたり、調整が悪い家って結構あります。よりによって防火扉レベルの鉄ドアがすごい勢いで閉まるとか、開けっ放しにしたい機会の多いドアが開けきったところで止まってくれないとか、そういうケースを直しました。作業としては、緩んだネジを締めたり、調整ネジを回したり、要所に油を差したり、油漏れで終わっているクローザー本体を交換したり、という感じでそれほど難しくはありません。

効果は絶大で、家の猫をドアで真っ二つにする恐怖や、ドアを開け放すのに毎回つっかい棒や重石を持ち出す不便から開放され、快適な日々が約束されます。ま、快適になったらなったで、不便だったことなんてみんな忘れるんですけどね。

そこで私は思うわけです。なぜ、ほんの少しの手間で解決できる問題が放置されていたのでしょう。なぜ、論理的に考えればたどり着ける原因究明を、まるごと未解決ボックスにうっちゃっておいたのでしょう。もったいない。ちょっと背伸びをすれば自分のものになる知識や技術と、それによって得られる合理的で快適な結果に触れずに生きていくなんて、実にもったいない。

そして私は気づくわけです。今回見つけたドアクローザーの真実は、たまたま私が手を伸ばしたから届いただけなのだと。多くの人にとってのドアクローザーのように、私の視界に入らないことなんて本当にいくらでもあるのだと。それは例えば料理や食器洗いのコツみたいなことかもしれないし、保険の選び方かもしれないし、携帯電話の使い方かもしれないけど、多分もっと私の守備範囲外にこそ山のように転がっているのだろうと。

私は祈ります。次なるドアクローザーが私の前に立ち現れたとき、好奇心と探究心をもってそれを自分の血肉にできますように。未知の課題を、既知の事象の集合体としてとらえる能力を得られますように。そして、今回直したドアがすぐまた壊れたりしませんように。

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