レッドロケット物語 1 -発端

ここ2年ばかり、足首の怪我がなかなか治らずロクに自転車に乗れない日々が続いていました。なにせ近所のスーパーまで歩いて行って、帰り道半ばで痛みに耐えきれず天を仰いで歩みを止め、ああ三笠の山に出る月よ、私は家に帰ることができるんだろうかと悲嘆に暮れるレベルがずっと続いていたのです。最近ついに良くなってきたのですがそれはまた別の話として、ちょうどそのダウンタイムを埋めてくれたプロジェクト、それがレッドロケット号でした。ロケットと呼んだところで月や火星に連れて行ってくれるほどの乗り物ではありませんが、まあ要は赤い車です。フェラーリみたいなものを想像していただければ結構です。このネーミングについてより詳しくは South Park というアニメを検索してみても良いでしょう。

時は2014年、私は困っていました。昔から好きだったパジェロという車、それも初代のカクカクな形のものを手に入れて、それがもう3台目のL型パジェロだったのですが、以前の2台よりも明らかにボロいのです。非パジェロ期間が10年ほどあったので、その間に世間の山猫ちゃんは皆年を取り、元気なものもディーゼル規制やら何やらに押されて輸出されたりして、老猫たちはおしなべて瀕死の状態に陥っていたのでした。その点を見落としたまま勢いで飼い始めたものの、長く付き合える状態にはないと気付くのにそれほど時間はかかりません。ダウンヒルバイクを積み込んで全国を旅した元気な相棒は、もういないのです。

いい車なんですけどね。なんだかんだでこの子とも山口までは行きましたし。

というわけで、次の車を探しました。条件はいくつかありましたが、なるべくシンプルな構造で、走破性が高くて、ボロくないものといったところです。人も荷物もそこそこ乗せられるというのも大事です。シンプルさを追い求めると現行車種はほとんど対象外となりますが、それで良いんです。「あまりお高くないもの」という必殺の条件を言わなくて済みますから。

で、見つけました。買いました。

ちょうどいいクラシカル具合です。こう見えても平成の車で、上のパジェロより1歳若いんです。かなり長寿となったモデルの末期という立ち位置が共通していますね。こちらも四駆なので、潮干狩りやマウンテンバイキングのお供に最適です。

人も荷物もけっこう積めます。ホースは付属しませんでした。赤灯や行灯も外されました。この辺は公用車払い下げの常態です。

元が「消防積載車」なので、バリバリのポンプ車やハシゴ車に比べれば架装を剥がすのもラクラクです。

条件的には最高です。四駆の中でもマニュアルフリーハブ付きのパートタイム方式が好きだし、トラックでもダブルタイヤは要らなくて、シングルタイヤで5.5インチPCDの6穴ホイールが理想だったし、フェンダーアーチは大きい方がいいし、全てドンピシャです。

中もキレイです。それもそのはず。

走行距離6,000km弱。新車じゃないですか!

そして2年の月日が流れ去り、今では走行が…8,000km弱。増加分の半分は購入直後の移動、残りはここ1ヶ月ばかりの間に積み重ねたものです。いったい2年間何をしていたんだという話になりますが、それこそがレッドロケット物語の真髄。独創性という天賦を呪いに変え、赤い靴に魂を掴まれたまま死ぬまで踊り続ける、狂気の2年間のはじまりはじまり~。

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