日出ずる国にITが沈む日

月初にちょっと東京に行って、ショックを受けたことがあります。

日本のIT(情報技術)はもうダメかもしれない。

そう考える発端はこれまでにも山ほどあったのですが、今回は特に自転車がらみの切り口から。たまたま目にしたNewsweek日本版の記事です。

東京のシェア自転車は役に立ちますか?

また、その前段となる記事も過去に読んでいました。

自転車シェアリングが中国で成功し、日本で失敗する理由

2本まとめて超要約すると、こんな感じです。

  • 自転車シェアリングが中国あたりで爆発的に普及中
  • 問題もあるが、それ以上に社会革命と言えるほどの成功を収めている
  • 日本も追随しているが全然ダメ、なぜなら
  • 理由1:交通インフラの都合上、必要性も利点も薄い
  • 理由2:システム設計がアホだから使いづらい

これらの記事に対する反応は賛否両論あるようですが、私はほぼ全面的に賛同します。きちんと現地で利用した体験に基づいていること、根拠となるデータの明示、社会学的考察の包括性、などの点でとてもしっかりと書かれた記事だと思いますし。

私は2014年に台湾・台北で同様のシェアバイクを利用し、2017年に中国・上海で街角のシェアバイクを横目で観察し、今年2018年になって東京のシェアバイクに乗ろうとして諦めました。そんな些末な体験を元に、日本のIT業界をディスって憂さ晴らしでもしようというのが今日のテーマです。

ちなみに、こうしたバイクシェアリングでは身元認証のために携帯電話を使うのが標準的であり、東京のプログラムでドコモ系の会社が運営主体となっているのもおそらくそういう絡みです。

で、日本のIT業界では巨人であるはずのドコモが牽引するこのプログラムがどれほど使いづらいのかは引用記事にある通りですが、私は実はそこに至る前に落伍しました。登録画面でどのように操作したら良いのかは公式チュートリアルを見て確認したのですが、そこに出てくるサンプル画面と実際の画面が微妙に違っていて混乱したというのが第一のつまずきでした。さらに、そんな状況で支払い方法とか間違って登録したら困るので、携帯電話と紐付けされる登録IDを一旦削除してやり直したら「既に登録されている番号です」と出てにっちもさっちも行かなくなる始末。登録画面のユーザーインタフェースが「はじめてつくったホームページ」みたいなセンスで使いづらいのは100歩譲って許すとしても、バックグラウンドのシステム設計がゴミレベルなのはいただけません。あんたら何屋だったっけ?って話です。

引用記事の中で私が特にツボったのが、この考察です。

どうもドコモのおじさんたちは、日本人は携帯電話やスマホをプチプチ押すのが好きだ、押す回数が多ければ多いほどみんな喜ぶという前提でこの仕組みを設計したとしか思えない。その結果、モバイクなら5秒程度で完了する手続きがドコモだと1分以上かかってしまう。

これって実はシェアバイクだけに当てはまる話ではないと思うんです。オンラインバンキングでも、車検でも、会社の事務処理でも、日常色々なシーンで似たようなことがチラチラと起きている気がします。

私だって「ひと手間かける」という美徳には共感します。例えば、たまに手書きの年賀状をもらったら嬉しいですし、一から出汁を取った料理は格別です。しかし、それはユーザー側の話。システム側の設計として問答無用で「ひと手間かけさせる」というのは欠陥であり、誰も得をしません。それでも修行僧のような心構えで頑張ってプチプチ押してくれる人は一定数いるわけですが、そういうマーケット特性に甘えている間にスマートなインタフェースを持つ黒船がやってきてガラケーとiモードがまとめてお焚き上げされてしまった過去からドコモは一体何を学んだのでしょうか?

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