2009.06.02
Filed under: Other Words
Written by: Kusahara
医療における「PT」というのは、日本語で言う「理学療法(士)」のことです。砕いて言えば、病院のリハビリ室で行われる筋トレのような治療過程と、その指導者です。英語では、
- physical therapy
- physiotherapy
- physical therapist
- physiotherapist
に相当します。このうち1と2は療法、3と4は療法士を指す言葉です。
この「理学療法」という言葉、残念ながら誤訳です。これは私個人の意見ですが、翻訳・通訳者としての判断でもあります。
Physical という語には「理学・物理学の」という意味もありますが、この療法においては、「身体」または「肉体」と訳すべきでした。英語では physics = 物理学、physical = 物理的な/肉体の、という関連がありますが、日本語ではこれらは直結した概念ではないと言えます。例えば、サッカー中継で「この選手は理学的な面で優れていて…」とは言いません。
そうである以上、手術や栄養管理とは別に身体を動かして物理的・肉体的に治療をしていく過程は、「身体療法」や「肉体療法」と呼ばれるべきだったのではないでしょうか?「理学療法」といういかめしい言葉は、患者が治療過程を分かりやすくイメージするチャンスを狭めていると、私は残念に思っています。
そんな訳で私は、「理学療法士」に言及する時はよく「PT」と言っています。これはこれで、分かりにくかったらごめんなさい。
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2008.10.10
Filed under: Other Words
Written by: Kusahara
TPIというのは、Threads per inch の頭文字です。ネジ規格の一種であり、一言で言うと「インチあたりのねじ山数」 です。
ネジは自転車に限らず機械全般に広く使われていますが、その直径やねじ山の角度、その間隔等を規格化することで汎用性を実現しています(汎用性、つまり規格に沿ったもの同士を組み合わせれば機能するということは近代的な機械部品では重要な命題です)。
一般的に使われるネジの規格としては、メトリック(メートル法)系列とインチ系列があります。前者については ISO規格によって標準化されたものがヨーロッパを中心として多く使われており、例えば M6 というと、直径6mm、ピッチ(ねじ山の間隔)1.0mmとなります(ピッチの異なるものも存在しますが、その場合は別途明記されます)。
一方、インチ系列はアメリカを中心に使われており、3/8″ 24 tpi というようにサイズ表記がされます。この場合、直径が8分の3インチ(9.525mm)で、ねじ山がネジ長1インチ(25.4mm)あたり24山です。
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2008.08.30
Filed under: Other Words
Written by: Kusahara
ドクターショップとは、患者がいくつかの医者を渡り歩くことです。
例文: People doctor shop these days in search of second opinions and/or different options.
(最近では、人々はセカンドオピニオンや他の治療オプションを求めてドクターショップをしている。)
ネガティブな面では、処方薬をかき集めて乱用するためにドクターショップをする人もいて、問題視されているようです。一方で、自転車乗りに縁の深い整形外科や他の色々な科においても、治療方針や手術内容が複雑であるほど病院やドクターによって手法が異なることがあり、レベルの高い、または自分に合った治療を求めて患者が複数の病院の門を叩くということはよく行われています。
良い医者、良い病院、良い治療法、良いフィジカルセラピストを見つけることは、スポーツ傷害に直面したアスリートにとっては生命線と言えます(もちろん、全ての患者にとって重要であることも間違いないのですが)。なじみの病院がなんとなく安心だから、どこでも同じだと思ったから、という油断と怠慢で自分の首を締めたアスリートなど掃いて捨てるほどいるでしょう。
幸いなことに、現在は日本でもドクターの得意分野や技量は人それぞれだという認識が広まり、インターネットや書籍などで関連情報を集めることは簡単になりました。完全な正解などありませんが、怪我をしてもパニクらずに、納得のいく選択肢を探していくことが大切です。ただし、最終的に怪我を抱えて生きていくのは自分で、リハビリなどの長い治療過程に対してモチベーションを維持できるかどうかも自分次第です。ドクターの門を出たらそこで治療終了と思っている程度の患者であれば、ドクターショップをする価値など無いというのもまた事実でしょう。
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2008.06.24
Filed under: Trick Names
Written by: Kusahara
180(ワンエイティ:横に180度回転する)系のトリックをした後で、逆の方向に戻ることをこう呼ぶことがあります。動詞として、そのまま「Indian give」とも言います。走ってきて、右に半回転して後ろ向きに進んだと思ったら、今度は左に半回転して元に戻る(またはその逆)という動きです。かなり新しい言葉で、BMX系のメディアで2007年くらいから目にするようになりました。
元のアメリカ英語の意味としては、一度は与えたものを取り返そうとすること。由来は諸説あるようですが、根源はアメリカ開拓時代の不対等な取引とそれにまつわる諍いです。インディアン(ネイティヴ・アメリカン) が白人入植者との交渉の中でただ同然で土地を譲り、そのことを巡って争いが収まらなかった歴史が背景にあります。
自転車のトリックとしては、アメリカあたりのシーンでは一般にかっこ悪いこととされているようです。理由は、180→Indian Giverでは全体としては回ったことにならず、全体の動きにスムーズな流れがないから。 実際に、180度回ってすぐに逆に回ると見ていて違和感がありますし、最初の180を回り切るかどうかさえ関係なくなってしまうという面もあります。
ただ、両方向に回れるというのは悪いことではないですし、間にフェイキー(180して、後に進んでいる状態)でのトリックを何かはさむことができれば、かえって両方向に回れることをアピールできることにもなります。Bruce Crisman あたりはそういうことをやっています。賛否は置いておいて、こうした違いに着目するとビデオなどを見ていても新しい発見があったりします。
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2007.08.07
Filed under: Trick Names
Written by: Kusahara
ハンドレール(手すり)やレッジ(構造物の角)に自転車を乗せ掛けて滑る、グラインドトリックの一種です。
50/50というのはもともとスケートボードの技名で、前後のトラック(車軸部分)でのグラインドを指します。縁石のような低いレッジでの50/50はスケートで最初に挑戦するグラインドとしては非常にポピュラーですし、より難しいハンドレール(手すり)での50/50は一流ライダーのビデオパートでも定番です。
2001年くらいか ら、アメリカのBMX界を中心に、ダブルペググラインドをこう呼ぶケースが出てきました。確かに、技の形としては同じです。単に響きがカッコいいからダブルペグ→ダブル→50/50となったという流れと、ストリートの先輩であるスケートへのオマージュと、同様のトリックには同じ名前をつけるべきという合理化思想が直接の理由でしょう。同時に便利な面として、当時はペグに頼らないグラインドが色々と実験され始めた時期でもあり、前後車軸のドロップアウトやナットだけでのグラインドも50/50と呼べるということがあります。そうでなければ「ペグ無しダブルペググラインド」なんて冗談みたいな呼び方になってしまいます。
ところがなぜか日本の自転車界では、ディザスターという別の技をこう呼ぶ人もい ます。スケートからの由来を考えれば明らかな通り、これは間違いなんですけどね。ディザスターはスケートでもディザスターです。
同時期にスケートの技名で命名し直されたものに、Revert(リバート)という技もあります。
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