Happy New Year!
明けましておめでとうございます。
皆さんの2008年は、良い年でしたか?私にとっては、良いことも悪いことも山盛りの1年でした。もちろん、良いことがあれば慢心せずに継続すべき課題がありますし、悪いことがあってもそれを忘れずに糧にしていきたいものです。2009年がそのように実りある年になりますように。私にとっても、あなたにとっても。
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明けましておめでとうございます。
皆さんの2008年は、良い年でしたか?私にとっては、良いことも悪いことも山盛りの1年でした。もちろん、良いことがあれば慢心せずに継続すべき課題がありますし、悪いことがあってもそれを忘れずに糧にしていきたいものです。2009年がそのように実りある年になりますように。私にとっても、あなたにとっても。
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ついにスポーツ復帰を果たしました!
札幌市内にわりと最近できた屋内スケートパークで、ちょろりと乗ってきました。まだ派手に転ぶようなことはおっかなくてできませんが、まあまあ普通に乗れます。今回は怪我の部位が特殊だったせいか、自分の中でGOサインが出るまでに本当に時間がかかりました。膝の靭帯再建などは、8ヶ月とかのリハビリ期間が過ぎないうちにみんな自分の中でイケル気がしてしまって困るというのに(3ヶ月もすれば頭の中にウッカリ青信号が灯ってしまいます)、4ヶ月以上にわたって赤信号がつきっぱなしというのは長かったです。今はやっと緑っぽい黄色くらいです。
パークの受付で「長崎からMTBライダーが来てるよ」と言われたので驚きましたが、長野在住の道産子ライダー、金子真吾でした。久しぶりに会えて嬉しかったです。ダウンヒルのレッスンプロをしている彼ですが、ダートやストリートも上手いし、一緒に乗って楽しいライダーです。ボウルをグリングリンとこなしてました。
そんな変化を起こしたせいか、札幌ではドカドカと雪が降りました。というより、ブリザードの襲来です。
ホワイトアウト寸前です。一応、街中です。
仕舞屋にしか見えませんが、生協だって営業中です。風が強いので庇の下だって雪まみれです。
自転車を屋外にとめておくと大変なことになりました。ずんぐりむっくりして可愛い自転車になりましたが、普通の26インチMTBです。
このスポークの造形とか、私はけっこう好きです。
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まったく、なんて一日だ。
俺は床にへたり込んで、そうつぶやいたんだ。
そう、俺の名は…いや、そんなことはどうでもいいか。昔のロックンローラーが歌ってたっけ。
「名前なんてどうでも良いじゃない、そんなのみんな同じだわ」
なんて十七かそこらの娘に言われる歌だった。
名前なんてみんな同じ?俺には分からない。でも、同じでも違っていても、別にかまわない。俺を見た人は名前を見るわけじゃないんだから。俺の顔を見たって、そこに名前が書いてあるわけじゃない。
そう、問題は顔だ。通りすがりに人の顔を指さして笑うガキなんて、絶滅危惧種だと思うかい?そんなあんただって、もし俺を見かけたら同じようにするんだろう。分かってる。俺には、それが日常だったんだ。
職場でも状況は同じ、いや、もっとひどかった。同期で飲み会があれば、俺がそれを知るのは決まって翌日になってからだ。仕事中に給湯室から笑い声が聞こえたことだって一度や二度じゃない。もちろん、嘲笑の声だ。
会社の規模は大きいが、驚くほど少ない人間で仕事を回しているので大変だ。製造部門で研修を受けた時もハードだったが、今の配送部門はまるっきり戦場と言っていい。合言葉は、納期厳守に即日配達。まるで一回でも納期を守れなかったら会社の命運が尽きるかのようなプレッシャーをかけられ、しかも部内では昨日今日になって仕事を覚えたような連中までもが俺を平気で見下してくる。奴らのいい加減な仕事を俺がカバーしたことなんて、数限りないのにだ。これまで、正直に言えば、辞表を書いてカバンに忍ばせていたことだって一度や二度ではない。
それが突然、社長に呼び出された。昨日のことだ。もちろん初めてのことで、自分でも笑っちゃうくらい緊張している俺に社長は言ってくれた。
「今度のプロジェクトがね、かなりきわどい状況なんだ。そして、毎度のことながらこれには社運がかかっている。物流に関しては君が一番明るいと聞いてね、ぜひ力を貸してほしい」
俺は、平然を装って了承した。本当は、膝が震えていた。そして、涙が出そうだった。
結局その夜は、そのまま残って夜勤シフトをこなすことになった。同僚のためじゃないし、出世したいわけでもない。多分、会社や社長の役に立ちたいというわけでさえなかった。ただ、俺の脳裏に浮かんでいたのはクライアントたちの顔だった。しかも俺はどうやら、漠然とみんなを喜ばせたいと思っているわけでもなかった。あふれるような笑みをたたえるハナ、驚きに目を丸くするカルロス、窓から身を乗り出して俺たちの轍を降り積もる朝方の雪の中に見つけようとするニッキー…一人ひとりの顔を思い浮かべながら、俺は青い闇の中をぶっ飛ばしていった。
明るくなった東の空が俺の胸を射抜いたとき、空気が急に透明度を増したような気がして、俺は立ち止まった。さっきまで同僚に囲まれてしつこく打ち上げに誘われていたのが、はるか昔のことのようだった。
まったく、なんて一日だ。
俺は自分にできることをしただけだし、それが自分にしかできなかったかどうかなんてわからない。だけど、とにかくそれができた。それを喜んでくれる人がいる。こんな単純なことが、こんなに誇らしいとは。
俺はルドルフ。どこにでもある名前だが、この名前の俺は一人しかいない。あんたと同じだ。そして今日、嬉しいことがあった。あんたもそうだと、いいな。
メリークリスマス。
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JIS(日本工業規格)について、最近調べものをしました。自転車部品を設計するときに、標準的な規格部品をうまく使えばメリットが多いからです。特に今はハブについて考えることが多く、構成部品が多いためになおさら重要なことです。メリットというのは例えば、
というようなことです。よく使うネジの形だとか、軸受(ボールベアリング)の標準的な大きさのラインナップだとか、こういうものが決まっていなくてメー カーがみんな独自に作っていたら、恐ろしいことになります。それは品質に問題が出るということではないのですが、例えば価格が天文学的な数字になってしま うということです。
そこで、工業標準というものが決められている訳です。日本には JIS があり、アメリカには ANSI、ドイツには DIN、イギリスには BS があるように。そして、人やモノが簡単に国境を越えるようになると、村と村とでしきたりが違うような状況はマズイ、ということになって国際規格として ISO が制定されて、各国の規格も ISO に合わせて改定されたりもしています。
さて、そこで JIS 規格を調べるために JISC(日本工業標準調査会)のウェブサイトを見てみたのですが、これがブラウザによっては全然見られないんです。まあ、普通に Internet Explorer を使っていれば見られるんですが、他のものだとサイトが表示されない(不正なコーディングのために html ではないと判断されているっぽい)とか、さらに他のとあるブラウザだと、トップページにアクセスした瞬間に怪しいダウンロード警告が出てきました。びっくりです。運良く中のページの URL が分かれば開けるページもありますが、一部のリンクが機能しません。細部まで見れば見るほど残念な作りです。
ウェブサイトについても、制作者側に「web標準」という言葉が浸透してきた通り、ページをどういう風にコーディングして、ブラウザはそれをどのように表示すべきかが決まっています(もちろん、最終的なページの見た目や内容をどういじるのかは自由なままで、です)。ページ製作者はプロであればそれを念頭に置いてサイトを作りますし、ブラウザソフトウェアはそれに基づいて開発されています。それは、工業におけるネジの形と同じように、標準化のメリットが大きいからです。
個人のサイトであればいくら web標準から逸脱していようと目くじらを立てるようなことではないですが、よりによって国家の工業標準規格に携わる人たちがこの程度の意識でやっているとは。なかなか悪い冗談です。
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風邪を引いてしまいました。ある朝起きたら喉が痛くて、その日が終わる頃には38度台後半くらいの熱が出まして。熱を出すのは、8月の骨折以来のことです。あの時も同じくらいの温度でした。
そんなわけで1昼夜くらい、寝たり起きたり安静にしていました。寒気がするし、発汗も多いので、下着は速乾素材で。食事は胃が受け付ける限り摂り、水分ものどの渇きを感じる前にどんどん摂るという、割といつもの作戦です。寝ていればそのうち楽になるという点を除けば、なんだかエヴェレスト登山と同じようなものかも…と熱で浮かれたことを考えていました。
実際、こういうときの速乾下着は、おすすめです。最近ではユニクロでも速乾Tシャツを売ってますし、モンベルなどのアウトドアブランドも今や身近なものですし。山でも海でも、何かあった時には下着の差がそのまま生死の境目になることさえあります。
スポーツでも、ウィンブルドンや箱根駅伝を綿シャツで戦うことは難しいでしょう。自転車でも、ロードレースやMTBのクロスカントリーなどは同様です。ただ、ストリートは違いますね。持久的な体力を最大限に発揮するということに主眼を置いていないことと、いざ体力が売り切れようと、体がオーバーヒートしようと、オーバークールになろうと、生命の危険には直結しない程度の都会という条件を前提にしているからです。スケートボードもそうですね。だからウェアブランドも、普通の綿Tをラインナップの中心にしていたりするわけです。
ただ、私はMTBのストリートでも速乾Tシャツは欲しくなることがあります。というか、作る予定です。なぜなら、日本の高温多湿な気候の中では綿生地に染みた汗は本当に蒸発しづらいです(同じ格好で汗ビショになっても、東京とカリフォルニアではその後の辛さはだいぶ違います)し、特に札幌にいると顕著なのですが、1日の間に寒暖の差が激しいと、そしてその中でチャリ自走で遊び回ったりすると、服の性能の差は小さな人生の分かれ道くらいにはなります。服や気候やハンガーノックのめぐり合わせが悪ければ、秋口くらいでもガタガタ震えながら動かない体で懸命に家を目指すようなプチ冒険ができちゃいますからね。
…でも、速乾Tシャツってすぐに汗臭くなるんですよね。これはもう15年くらい前から変わっていない気がします。繊維の種類によって多少違いもあるような気がするので、このあたりは要研究ですね。
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常日頃から、ウッカリ世界選手権があれば日本代表になれるんじゃないかと思うことが多くあります。人の誕生日からさっき食べたおかずまで、忘れられないものなどありません。
「Sunrise Street」に続くMTBフィルムを作るべく日頃から撮影にも精を出しているわけですが、 8月に怪我をしたのもその撮影中のことでした。その時の映像は当日の大反省会を含めて何度か自分で見ています。
今年前半は自分のわがままで活動休止していたバンド活動を再開し、先月にはちょこっとライブもして、撮影もしました。もちろんバンド内の反省用に撮った程度のものなのですが、曲間に怪我した話もしたので、そのライディングシーンも混ぜて編集してDVDにしてみました。そして、ある友人に見せたのですが…
「バキッて骨折れた音、聞こえたよね」
との指摘。
言われてからは見るごとに大きな音で、確かにそう聞こえます。
そんなことに気付く前に、メンバーにDVD配ってしまいましたよ…
自転車やスケートボードのフィルムって、やたらと怪我シーンで引っ張るものもありますよね。私は作りたくない方向性ですし、絶対やるもんか、って思ってました。それを今回、ウッカリの名の下にこしらえてしまうとは。まぁ、売り物のフィルムではこんなことがないように気をつけます。もしもそういうシーンこそ見たいという方がいらっしゃいましたらご連絡下さい。ご要望が多ければ裏バージョンでも作ろうかなと悩んでしまいます。
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秋といえば、秋刀魚ですね。しばらく前に、1尾50円!ということで2尾買って、すぐに全部焼いて食べたら蕁麻疹出ました。時々、魚アレルギーなんです、私。
ある時、江戸のお殿様が目黒辺りに狩りに出掛けました。空腹のため、付近の民家で秋刀魚を馳走になったところ、これが実に旨いのです。後日、城内での宴の際に、庶民の魚である秋刀魚をわざわざ所望するほどでした。ところが、これが全然おいしくない。産地を聞くと、魚河岸でプリプリのものを求めてきたとのこと。そこで殿様は仰せになります。「いかんいかん、秋刀魚は目黒に限る。」
これは落語の名作、「目黒の秋刀魚」です。解釈としては、お城の料理人が万一の事故などないようにと骨を除き、工夫を凝らしすぎて素材を台無しにしたという教訓であったり、魚や肉などは野菜と違って時間を置くことでタンパク質の変化により旨み成分が生成されるので、実際に内陸の目黒に運ぶくらいの熟成具合がちょうど良いなど、いくつかの説があるようです。しかし、私が強く感じたのは、心に残るおいしさというのはその時、その場所だからこそのものだということでした。もちろん、それを産地という単純なレッテルに置き換えてしまった殿様がおかしくて、可愛いわけですが。
これって、味覚に限らず、芸術体験一般に言えることかもしれません。例えば最近、モーツァルトについて読む機会があったのですが、彼はその時その場所で、目黒のサンマにはなれなかったアーティストです。同時代の人には訳が分からん、ひねくれすぎだ、と言われ、次の時代、19世紀には、なんつーかフツー過ぎるよね、とか言われちゃう悲運の天才です。20世紀後半に再評価され、あのサンマはヤバいよね、やっぱりサンマはウィーンに限る、なんて言われることになる訳です。
そんなモーツァルトや、他のクラシックの大家を評して、「彼らが現代に生きていたらヘヴィーメタルをやっていたはずだ」という議論になることもありますね。私は、こういう想像が大好きです。彼らがみんな弦楽バンドやオーケストラの譜面ばかり書いたのは、それしか楽器がなかったからです。増幅技術(アンプのことです)やシンセサイザーがあったら、彼らがいわゆるクラシック音楽の枠にとどまる理由もないでしょう。当時はとにかく、でっかいオケに弾かせなきゃ観客みんなに聞こえないわけですから。モーツァルトが本当にやりたかったのが Led Zeppelin だったとしても、The Stooges だったとしても。
そうそう、東京の目黒図書館には、サンマ型の机があります。以前、遠征時に立ち寄って感動しました。疑いなく、私が今まで見た中で一番ロックしている公共施設です。
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排除とは、人間の体が侵入してきた異物を対外に排出しようとする現象です。例えばピアスなどでも、耳たぶの端っこにあけてしまうと段々と穴が更に端に移動してしまい、ついには排除されたりします。耳のように突出していない体表面に行うサーフェスピアシングなどが失敗しやすい、大きな理由でもあります。
怪我をしてガラスの破片とか木片がいっぱい刺さってしまったような場合、この作用で数週間とか、場合によっては数年してから異物が出てくることもあり、そういう意味ではとっても便利な機能です。というより、任意の生物種が持っているほぼ全ての特質について当てはまることですが、これが生存に役立つからこそそれを持たない個体は死に絶えて、生き残りの私たちはこういう性質を持っているわけです。つまり私たちは意外とみんな生まれながらにして機能的で便利なわけですが、それはさておき。
さて、問題の排除なんですが、足首の手術跡から糸が出てくるんです。手術での縫合というのは、後から抜糸をする表皮の他に、それより中の層も別にしっかりやってあるんですね。そしてそれが、人によっては排除されてきます。私はどうも排除の傾向が強いのか、以前の膝の時も同じでした。あ、そういえば、耳のピアスでも一度ありました。
排除が起きないような手術の技法もあるそうです。一定期間で溶けて体に吸収される糸を使うとか。ただ、私が今までに受けた手術では一度も使われていないと思います。その溶ける糸が実用化されたという話は小学生の頃に聞いたけれど。
さてさて、普通は排除されてきた糸をプチンと取れば問題ないのですが、今回は表に出ているのが糸の端っこだけで、つかむ長さもないから様子を見ることになっていたんです。ところが、放置している間に化膿してしまったんですね。そして、腫れたついでに糸はまた消えてしまいました。まさに糸口が失われたってやつです。そして、昨日あたりまた腫れが引いたと思ったらプチッと穴が開きました。ああめんどくさい。さっさと、スパッと切り開いてブシッと取ってもらって構わない、とドクターに伝えた方が良いのでしょうかね。腫れてしまったら、動きも悪くなってまた回り道をすることになります。とってもテンション下がります。
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先週からやっと、自転車に乗って良いことになりました。もちろん移動だけですけれど。手術から9週間が経って、やっとです。
とはいえ、自転車に乗ってすぐに、まだリハビリ中である足首の筋力も可動範囲も全く足りず、仮に激しく乗ろうとしても無理なことがはっきりと自覚できます。 幸いリハビリ自体は順調なようなので、今はそのまま耐える時です。ちょうど今時分は、来年のカタログ本への資料提供などの仕事もありますし、デスクワークには事欠きません。
そんなカタログ関係には間に合うかどうか微妙ですが、先日、とある試作品を自分で削り出してきました。
実は他にも、試作して、自分やチームライダーが使って、最終調整・リリース待ちの部品ってあるんですよね。市販まではもう少し、時間がかかると思います。愛情たっぷり、手間ひまかけて育てております。
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最近、皮肉を練習してみました。まあ別に、どこで使うあてがあるわけでもないのですが。
札幌の地下鉄に女性専用車両が登場したことに、大きな衝撃を受けました。確かに東京などでは車内の混雑に乗じた痴漢被害に悩む女性が多く、またその混雑状況自体が劣悪なものであることから、体力的な面での安全管理という意味を含めて女性専用、または優先車両が運行されています。そこまで車内が混雑することなど皆無と言ってよい札幌においても、そうした被害の可能性を排除して乗客の安全と安心を守るという札幌市交通局の姿勢は素晴らしいものです。
もちろん、問題や反発の発生も予想されます。例えば男性は乗車後に車両から車両へと移動する自由が損なわれるとか、共用車両の混雑がひどくなるとか、専用車両に乗らない女性が痴漢を厭わない開けた人だと見られては困るとか、専用車両は子供や障害者も歓迎としているものの、その情報が周知されず、一見障害の分かりにくい男性などには利用しづらい雰囲気になるのではないかとか、はたまた、痴漢の被害に遭う男性の救済を無視しているとか、そのような細かい点をあげつらう向きもあるようです。
しかし、利用者に優しい地下鉄というイメージをつくるためには、これらの問題などは全く取るに足らないことです。その点をはっきりと踏まえた今回の英断に敬意を表します。ただでさえ、日本の中心から遅れた、開発途上の未開国と見做されがちな北海道ですから、こうした首都発祥の文明をもっと迅速に、疑いなく受け入れていくことはとても重要です。何より、女性専用車両という斬新かつ都会的なコンセプトこそ、アパルトヘイト以来最大の文化的発明なのです。
私は男性ですが電車内で痴漢に遭ったことがあります。また、怪我による一時的な障害で階段を上り下りできない時には、最寄の地下鉄駅が幸いなことにエレベータの設置されているところだったため、それを利用していたこともあります。そうした部分のケアが行き届いていないと感じても、それは仕方のないことだと思っていました。しかし、一部の利用者が多少の不便に耐えることで他の乗客にとっての利便性と安全性、更には公共サービスのイメージまでもが向上するとなれば、これを発明と言わずしてなんと言うのでしょう。私にとっても、他者の利便のために自己犠牲を払えるという、高尚な精神活動の実践の場を与えてもらったことになるのです。これこそまさに、高度文明社会のあるべき姿と言えるでしょう。
一歩外に出れば、そこは依然として原始的で混沌とした男女混合の社会です。そのような野蛮な世界から抜け出して地下鉄に乗ると、その美しく自己完結した箱庭模様に大きな安心感を覚え、もうそこから離れたくないとさえ思ってしまうでしょう。そんな素晴らしい世界が完成するのだと思うと、期待に胸がふくらみます。
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