BMXクランクとBBシャフトの、似て非なる話

2008.07.15 Filed under: Mech & Tech Written by: Kusahara

ストリートやダートジャンプを激しく乗るライダーは、自転車がBMXであってもMTBであっても、BMX用に開発されている3ピースクランクセットを使う人が多いです。3ピースというのは、左右のペダルの間に、左右それぞれのクランクと中心のボトムブラケットシャフトの3つの部品が存在するということです。それに対して1ピースクランクというものもあるのですが、これは1本の棒を曲げてその3つの部品の代わりにしているものです。BMXや、ビーチクルーザーの安いものに使われています。

その回転軸となるBB(ボトムブラケット)については、以前には、BMXならBBの規格は俗にアメリカンと言われる大径のもの、MTBなら俗にユーロと言われる小径のねじ込みのもの、という棲み分けがありました。ユーロというのはBMX業界での通称で、MTBとロードの業界内ではその中でも数種類の規格が存在しますが、「ユーロ規格」と言えばその中でも多数派であるISO規格の標準サイズ(日本のJISおよびイギリスのBSCを含む、ネジ規格が1.375″ x 24tpi のBCネジ。BBシェル幅は68mm)を指します。

BBシャフトの太さは、長きにわたって業界標準となってきた Profile 社の Race クランクセットと同じ、3/4インチ(19.05mm)が多く使われています。よく、「19mm」と呼びならわされていますが、これは不正確です。なぜなら、ベアリングにはメートル系とインチ系が存在し、これはあくまでもインチ系の規格だからです。

また、1990年代後半の頑強ブームの中では、これより太いBBシャフトが流行しました。Profile、We the people(WTP)、Primo、Demolition などの「22mm」や、Perv の25mmといったサイズです。

BMXパーツの大手、Profile 社のウェブサイトには、同社のSSクランクセットのBBベアリングについて、他社である WTP や Primo のベアリングとは互換性がないと書いてあります。ここで豆知識をひとつ。BMXパーツ各社の3ピースクランクの中で、 この Profile の SS のみが7/8インチ(約22.2mm)のシャフト径です。ハンドルバーの、グリップやブレーキレバーの付く部分と同じです。対して、WTP や Primo は、22.0mmなんです。たかだか0.2mmとはいえ、そこにはインチ規格とメトリック(メートル法)規格の差があるので、別物なのです。ベアリングの寸法も、それぞれ別の規格なので違います。そして、BMX用のユーロBBが存在するのはメトリックの22.0mmのみ。 私のバイク(MTB)は、ユーロBBで Profile の SS クランクを使うために、実はシャフトのみ WTP を使ってきました。当社調べでは、WTP の22.0mmシャフトは Profile SS に使われている7/8″シャフトの外径を削り落としたようなもので、セレーション(シャフトの勘合)は互換性があります。でも、もちろんメーカーの保証対象外になりますので自己責任の世界です。

規格違いも、見た目で明らかに違えばまだ良いのですが、微妙な差になってしまうと困りものです。ですが、予備知識と実験精神があなたを救うこともあるというお話でした。参考になりましたでしょうか?(加筆訂正: 2008/07/23)

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変速 vs. シングルスピード

2006.09.03 Filed under: Staff Blog, Mech & Tech Written by: Kusahara

前回の続きです。

ストリートや、最近ではトライアルまで、変速なしのシングルスピードでMTBを組む人が増えてきました。以前から山に入る人でも一部にそういう趣味はあったのですが、それとこれとはちょっと動機が違う気がします。

変速なしで山に入るのは当然不便で、大変で、遅くて、疲れます。それでも、行き過ぎた文明を拒否するかのように、それを好む人がいます。つまり、非常に趣味的な理由です。それに対して、ストリートでは、故障を避け、多少の不便は我慢して、信頼性を追及していたらこうなっちゃった、という実用的な理由が(少なくとも私は)第一にあります。

とはいえ、シングルスピードでストリートをやっていると「ではなぜBMXではなくわざわざMTBでやるの?」という疑問に答えにくくなるのも事実。別に人から言われなくても、その疑問は常に私の中にはあります。そこで変速があれば、「山に登ったらハーフパイプ状の谷があったからひとしきり飛んで、ダウンヒルして帰ってきた」というような、答えになるライディングができるのです。

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変速 vs. シンプリシティ

2006.07.31 Filed under: Staff Blog, Mech & Tech Written by: Kusahara

最近、内装変速装置の図面というか、イメージスケッチというか、そんなものを描いています。難しいです。

私は現在シングルスピード(変速なし)で主にストリートを乗っています。ブレーキもありません。以前山に入ったときにはブレーキだけはつけたりと、細かい仕様変更はありますが、基本的にシンプルなものが好きです。なぜなら、複雑なものは、よっぽどうまく作っておかないと、壊れやすいからです。

MTB に使われる変速機は、Derailleur(ディレイラー)と呼ばれています。これは、「脱線機」と訳した方が正確かもしれません。普段はチェーンを隣の軌道まできちんと脱線させてくれるいい奴ですが、ちょっと変わったことをするとすぐにテンパって脱線しすぎてしまいます。だから最近、私に限らず、ストリートでは変速機はあまり使われません。

でも、脱線しない、しっかりした奴に変速してもらったら、MTBでのストリートライディングはもっと合理的で進歩的なものになると私は考えているのです。その一環で本来ママチャリ用である内装変速ハブをMTBに取り付けて、さんざん実験しました。が、イマイチでした。仕方がないので、自分で考えてみます。そんな時、心に流れるのはこの一曲。映画「スパイダーマン」のテーマになった、「Hero」という曲の一節です。

..And they say that a hero can save us
I’m not gonna stand here and wait..
(ヒーローが救ってくれるはずだよ、とみんな言うけれど、
僕は、ただじっとここに立って待つことはしない)

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