最近の気になる検索語

2007.09.25 Filed under: Staff Blog, Injuries & Health Written by: Kusahara

当サイトのアクセスログを見ていたら、検索語としてこんなものが。

43. 半月板損傷
44. 治らない

いたたたた…。確かに、膝関節内の半月板の損傷については、血流が少ないために自然治癒が難しく、多くの場合は損傷箇所の切除で対処することになるようです。損傷を放っておくと、半月板のささくれのために膝が曲がり切らなかったり、時々ロックしたり、という不都合が起きます。部分切除でほとんど元通りになるケースもあれば、大きく切除したために膝の動きが不安定になり、スポーツや日常生活に支障をきたすこともあります。

とにかく、お大事に。少しでも、治りますように。

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週末はつゆだくで

2007.09.24 Filed under: Staff Blog Written by: Kusahara

ちょっぴり充実した週末を過ごしてきました。皆さんはいかがでしたか?

土曜日は、自分のMTBを大きく組み直したのでシェイクダウンということでチームメイトと乗りに行きました。ちょうど最低限の慣らしが終わった状態で、良い感じです。実は今回、リアハブにフリーコースターを入れました。ブレーキレスで自転車を組んだ日にも思いましたが、自分がこんなセットアップをすることになるとは、本当は夢にも思っていなかったのです。まだまだ慣れて使いこなすには時間がかかるでしょうが、面白くなりそうです。

日曜日は、ライブしてきました。カバーバンドをいくつか集めた企画もののライブにお誘いを頂いていたのです。これまた自転車のつながりから始まったバンドでして、楽しんできました。メンバー4人中、自分ともう一人がバリバリのライダーです。なんだか、BMXストリートの Seth Kimbrough と Bruce Crisman が同じバンドに入っている話を思い出しますね。でも残念ながら、ジャンルもレベルも大違いなんですけどね。ちなみに、その Bruce Crisman こそ、私がフリーコースターにした理由です。最近の彼の動画を見て一発でやられてしまったのです。

そして月曜日。ダートジャンプ&ハーフパイプ(+焼肉)ジャムが催されまして、行ってきましたよ。札幌でダートといえば Sam’s Bike 所有の「滝野トレイル」と相場が決まっている訳なんですが、なんとなんと、そこに隣接するスケートショップ所有のランプがチャリでも乗れることになったというのです。しかも関東からは丸屋薫・稲野晶という豪華キャストが来札中。札幌ライダーも山のように集まって、楽しいひとときでした。私も3年ぶりのヴァートにドキドキしながらも、ペダル掛け50/50からのロールインだとか、新しいことを試してきました。この勢いで、宣言しちゃいます!ヴァート、上手くなります!

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残念な雑誌の話

2007.09.23 Filed under: Staff Blog Written by: Kusahara

自転車雑誌界は、どうやら群雄割拠の戦国時代を迎えているようです。写真のクオリティに定評のあったMTB MAGAZINEや、孤高の専門誌として頼りにされていたBMX FREEDOMが休刊となったのは記憶に新しいですが、一方で新しく創刊された自転車雑誌があったので、本屋さんで眺めてみました。

業界の真の発展と、ライダーへの責任ある情報提供のために、実名で。「CYCLING CLUB」という雑誌です。現在発売されている号に関しては、私の評価は残念ながらABCDのうちのFです。ざっと見ただけですが、問題が多すぎます。

まず、自転車についての基本的な知識不足。フリースタイルMTBのライダーと街頭で出会ったという挿話がありましたが、写真を見る限りBMXのフラットランドです。フリースタイルという用語自体、その中でのジャンル細分化が進んだ現在ではあまり使われませんが、それ以前に…。確かに、BMX(バイシクルモトクロス)とMTB(マウンテンバイク)とBTR(バイクトライアル)は昔から道行くおじさんにはごっちゃに理解されています。それは、地方の温泉に行くと「おう兄ちゃん何かスポーツやってるのか?」と聞かれて、「自転車やってるんですよ」と答えれば「そうかそうか、何級だ?」という話になってしまうのと一緒です(ちなみにこの場合は、「A級っす。なかなかS級には上がれなくて。今度の函館はバッチリ逃げますよ」というのが模範解答らしいです)。でもまさか、業界内でそんな事態になるとは。

次に気付いたのですが、雑誌作りという面でもプロの仕事とは思えない部分があるんですよね。最大の問題は写真クオリティの低さ。 印刷物は通常、300-350 dpi(ドット・パー・インチ)くらいの解像度で写真を載せます。つまり、縦横とも300ピクセルの写真があれば、それを1インチ(2.54センチ)四方くらいの大きさで使うということです。それ以上は引き伸ばせません。コンピュータの画面では72-96 dpi が普通ですから、印刷物は精細で見やすい分アラが目立ち、大きく使う写真は高解像度でなければならないということなのです。ところが、この雑誌は写真によっては100 dpi あるかどうか、というものを掲載している始末。モザイクですか?

とどめの衝撃は、日本語力の不足。流行のピストバイク(トラックレーサー)の特集がありましたが、その減速方法について、「ペダルを逆回転させる」という記述がありました。確かに、昔から「バックを踏む」という言い方があります。そして、ペダルに逆回転方向の加速度を与えるというのは事実です。 でも、実際にペダルの運動方向が逆回転にはならないでしょう。どんだけドリフトしてるんですか。神岡ターンですか(車のラリーで、実際にバックギアを使うコーナリングテクニックがありました)。バックを踏む=逆回転、という脳内変換に歯止めが効かないのであれば、それはピストに乗ったことがないばかりか見たことさえないということなのでしょう。

対象ジャンルを絞りすぎたために、大きなマーケットを作れずに失敗した雑誌はいくつも見ました。自転車でも、自動車でも、スキーでも。それでも、そうしたプロジェクトに関わった人たちは、その世界を愛する本物のプロフェッショナルであり、純粋な参加者でした。そういう人たちをこそ、私は応援したいと思っています。

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アウディ・クアトロの悲劇 その3 (MTB設計編)

2007.09.12 Filed under: Staff Blog Written by: Kusahara

前回から続く)

ストリートライディング向けのMTBフレーム、「Tanatos(タナトス)」の設計をしている時に、色々な他社のフレームも買ったり借りたりして乗ってみました。設計のポイントとして、特に「前を上げやすい」という性格は欠かせません。前輪を上げて走るウィリーやマニュアルという技は楽しく、他の技への発展性も豊かなのですが、フレームの設計によっては例えば身長が180cmないと物理的に不可能になってしまうからです。その中で、ひとつの衝撃だったのが某有名ブランドのアルミフレーム。「女性用」を前面に出した、コンパクトかつ軽量なMTBです。

最初の衝撃は、少しでもハンドルを切ると足先が前輪に当たってしまうということでした。これはちょっと問題です。一般的に言って、ハンドルを切ったらタイアが何かに当たる乗り物というのは設計上あり得ません。そして次に気づいたのが、前輪が上がらないという更に致命的な事実でした。

調べてみると、このブランドは伝統的にリアセンター長が425mmとなっています。420mmというメーカーも多いですから、これはやや長めとも言えます。とはいえ世間には、リアセンターがそのくらいあっても前輪をなんとか上げられて、「長いから安定する」という性格を実現しているフレームもあります。この場合には、乗りにくい原因の一番は前後バランスの悪さなのでした。「コンパクト」を目指すなら、前後の長さなどのバランスを保ったままでなければ意味がありません。このブランドには良いストリートライダーもいるのですが、それは180cmを超える身長とリーチの長さがあるので、大きいサイズの(425mmのバックエンドとバランスが取れた)フレームに乗れているからです。

マニュアル時のバランスというのは、今まで聞いた中でベストな例えで言うと、サーフボードに乗って先端をつかみ、前を浮かせるようなものです。その時、板の前の方に乗っていたらできないでしょう。リアセンターが長いというのは、そういうことです。そして、板の先端をいくら切り詰めても意味がないこともまたイメージできるでしょう。乗り物としての性能が落ちるだけです。アウディ・クアトロが20年前に似た間違いを犯したように。

体格の大きくない人(身長140-170cmとか)で、MTBでアクションライディングをしたいという向きには、とにかく一度リアセンターの短いフレームに乗ることをおすすめします。友達が貸してくれなければ、タナトスの無料試乗車もありますよ。「とにかく前を上げやすいセットアップ」などの指定にも対応可能です。あなたは、その体格と、その情熱に見合った自転車に乗っていますか?

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アウディ・クアトロの悲劇 その2

2007.09.05 Filed under: Staff Blog Written by: Kusahara

前回から続く)

アウディの設計チームは、悩んでいました。自分たちの4WDラリーカーという設計思想は正しかったものの、後発のプジョー・206が前後重量バランスの良さを武器に自分たち以上の成績をあげている・・・。そこで、クアトロが採用したのがショートホイールベースでした。つまり、前後輪の間隔を狭めることにより、回頭性を向上させようとしたのです。機構的にも、ボディを切り詰めるだけなので、エンジン、トランスミッション、トランスファーといった主要な機構を見直さずにプロペラシャフトを詰めて対応でき、手間がかかりません。

ところが、これが大失敗。フロントヘビーという十字架を背負った上にホイールベースが短いためピーキーな挙動となり、ターンモーションに入りにくいけれど入った途端にスピンしやすいという、難しい車になってしまったのです。かつて、雨のアウトバーンを200kmでクルーズするならポルシェよりずっと楽だと賞賛されたスポーツ4WDの草分けは、こうして自らの黄金時代に幕を引くことになってしまいました。

自転車の世界でも、似たような事例があります。ストリートライディングを志すなら、BMXのような短くて回頭性の良い設計が必須です。そのために多くのMTBメーカーが行ったアプローチは、ホイールベースを短くするために、フレームの前半分を短く作ることでした。

自転車フレームのホイールベースは、重心となるBB(ボトムブラケット)部分を境にフロントセンターとリアセンターに分けられます。そのうち、リアセンターは駆動部品のクリアランス確保のため、シビアな設計が要求されます。現在の変速(脱線)システムでは、リアセンターが短ければチェーンが斜めになりすぎて変速性能が保証できません。変速機メーカーが動作保証するのは、リアセンター420mmくらいが最短です。また、26インチという比較的大きなホイール径に太いタイアを組み合わせるMTBでは、タイア、クランク、前スプロケットのいずれとも干渉しないようにフレームを設計することは、特にリアセンター420mm以下の領域では簡単ではありません。一方でフロントセンターは、前輪と爪先の干渉という問題こそあれ、設計の自由度ははるかに大きくなります。

そこで多くのフレーム・完成車メーカーは、リアセンターの設計変更は避けてフロントセンターのみで調整してきたのです。これが、アウディ・クアトロの二の轍を踏む行為だとも気付かずに。

次回へ続く)

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アウディ・クアトロの悲劇 その1

2007.09.03 Filed under: Staff Blog Written by: Kusahara

自動車レースの中でも過酷なことで知られるラリー競技。そこで一時代を築き上げながらも、一度は先取りしたテクノロジーに追い越され、志半ばにして表舞台から姿を消した自動車があります。そして、その凋落の背景には、意外にも私たちのような自転車エンジニアが学ぶべき事実があったのです。

ドイツを本拠地とするアウディ社が、クアトロ(イタリア語でQuattro=4の意)という四輪駆動システムを引っさげてラリー競技シーンを席巻したのは1980年代のことでした。舞台はWRCなどの、スピードラリー。「パリ・ダカ」に代表される、道なき道を行くアドベンチャーラリー(またはラリーレイド)とは違い、こうした競技ラリーは市販乗用車をベースとしたいかにも「速い」車で争われるのが特徴です。それまでの四輪駆動のイメージは、日本でも四駆を全て「ジープ」と呼んでいたことに象徴されるように、あくまでも低速で荒野を切り開くクロスカントリー。ラリーを戦うのは、ランチア・ストラトスのような、舗装サーキットから抜け出してきたような後輪駆動のスーパーカーが主流でした。

ところが、乗用車に四輪駆動のシステムを組み込むことに成功したアウディは、ここに目を付けたのです。タイアのグリップ力が期待できないオフロードでは、駆動力を分散させた方が高速走行での安定性を実現できると考え、実際にWRCなどで大成功を収めました。これがどれほどの影響力となったのかは、現在のWRCを戦うのがスバル・インプレッサや三菱・ランサーなどの4WDばかりなのを見れば説明の必要はないでしょう。

しかし、プジョー・206など、(当時の)次世代の4WD車が登場するにつれて、クアトロの弱点も浮き彫りになって来ました。それは、前後の重量バランスの悪さです。もともと、アウディはFF(フロントエンジン・フロントドライブ)を得意とするメーカー。自動車の前後重量配分は50:50が理想と言われますが、FFでは前輪の加重が抜けては何もできないため、前60-65:後35-40というように前が重いのが普通です。アウディもそうであり、クアトロはそのFFベースの4WDなのです。そのため、回頭性の悪さが指摘されるようになりました。そして、それに対応するための設計変更が、皮肉にもクアトロの伝説を終わらせてしまったのです。

次回へ続く)

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