雑多なブログ記事

レッドロケット物語 2 – 買ってくる

さて、車を買い換えないばいけないなという時にビビッとくる出会いがあったというところまでが前回の主なあらすじです。で、消防車の払い下げ個体を買ったわけですが、現物は京都府にあります。

なので飛行機で取りに行ったのですが、格安航空会社ジェットスターの午後便で千歳から関空に飛んだらえらい遅れになりました。つまり、朝イチ便は飛行機がそこにあるからそうそう遅れないのに対し、遅い便ほどドデカイ遅れが有り得るのです。「機体の到着遅れ」とアナウンスされるやつです。LCCだと予備の機体なんかも無いのでこういう時は素直に遅れまくるわけで、この日は午後イチくらいの予定だったのが結局2時間ほど遅れて飛んだと記憶しています。別に雪でも台風でもなかったと思うのですが。

それからJRと、赤字鉄道界の雄、北近畿タンゴ鉄道に揺られて目的地につくと、とっくに日はとっぷりと暮れたあとでした。しかし担当の職員さんが駅まで迎えに来て優しく対応してくれて、現物を見ても悪いサプライズなどは特になく、無事に引き渡しが完了したわけです。あんな時間まで別件で残業だったそうで、お疲れ様でした。

持参した臨番(仮ナンバー)を付け忘れたまま出発進行!してしまったというミスはあったのですが、間もなく気づいて慌てて取り付けて、事なきを得ました。このまま夜の日本海沿岸をひた走り、フェリーに乗ります。港は舞鶴だったら目と鼻の先、敦賀でもそう遠くないのですが、フェリー料金やら何やらの都合(トラック扱いなので乗用車とは料金体系が違い、航路によってかなり高額になります)を考え、新潟まで600kmほど走ることにしました。「積算距離的に新車なんだから、慣らし運転気分でちょうどいいだろう」という考えです。

間違っていました。

走行距離に関わらず、年月によって劣化・消耗する部品は色々あります。タイヤはその代表と言えるでしょう。トンネルのしばらく手前からザッ、ザッ、ザッ、と弾けかけたタイヤがフェンダーをこすっている音が聞こえていたので、もっと早めに車を止めるべきでした。まあ普通に止まれたので良しとしましょう。

よく考えれば車載工具もスペアタイヤもあったのですが、とにかくパニクったのでJAFを呼んでしまいました。何もトンネルの中でバーストしなくても良さそうなものですが、上下線別トンネルだから対向車は無いし、接近車両も音で分かるし、視界だって良いし、かえって安全だったかもしれません。このような路上故障では、一応警察を呼んだ方が良いらしいです。交通整理とかしてくれました。感謝です。

最後は時間がギリギリだったもので、バーストした1本と同じ製造年月のタイヤ4本をギャンギャン回し、泣きながら高速移動する羽目にもなりましたが、なんとか新潟から朝のフェリーに乗れました。翌早朝小樽着、ちょっと走ってすぐに札幌帰着です。

弾けたタイヤに巻き込まれたフェンダー。かわいそう。最初はもっと完全にペロリと巻き込まれていたのですが、現場でJAF提携業者のおっちゃんが走れる程度までハンマーで直してくれました。私は「最悪ちぎれてもいいっすよ」という緻密な指示を出して見守るだけでした。まあ、これは後でどうにでもなるでしょう。この時点では数ヶ月ちょちょいといじれば面白く乗れる感じになるだろうという気分でしたので、ひとまず車検を取り、車体裏に営巣していたアシナガバチとバトルして夏を過ごしたのでした。

(多分つづく)