先日の「うちのフレームにもシマノクランクが付くよ!」というニュースに比べると小粒なネタですが、またまたやって来ました、互換性検証シリーズです。
OSストレートコラムの救世主として仕入れてきた老舗スピナー社のサスペンションフォークですが、26インチだけでなく27.5インチのタイヤも装着可能と判明しました。こんな感じです。
27.5″でそこそこ太めなダウンヒルタイヤ、そこそこ幅広のダウンヒルリム。本当はもっとスキニーなタイヤでそっと試してみようと思っていたのですが、とりあえず手元にこれしかなかったのでドンといきます。いけました。
タイヤとフォークのアーチとのクリアランスが5mm。余裕です。このホイールセットを20世紀のダウンヒルフォークに履かせて、ここのクリアランス1mmなんて状態でDHレースで時々遊んでる私が言うんだから間違いないです。
加えて気にしなければいけないのが、フルバンプ時のクラウンとのクリアランスです。ここがフレンチキスしちゃうと極限の前荷重状態で前輪がメカニカルロックしちゃうのでとっても危ないです。ちょっと擦る程度なら死にゃしないんですが、そこはフレンチ具合によりけりです。とりあえず隙間は101mm。
内部構造とかは置いておいて物理的なトラベル限界としては、まあインナーチューブの出代以上には動かないと考えて、これが100mm。クリア!!!
ちなみにこのフォークは付属品として用意しているトラベル短縮キットを62mm分入れているので100とか101という数値になりますが、この数字自体はセッティングにより変動します。しかし相対的位置関係はそれに依存しませんので、このフォークにこのタイヤであれば、トラベル量設定やエア圧に関わらず、1mmの余裕があることになります。現実のライディングではフルバンプに至ることは非常に稀であり、またフルバンプ位置には一瞬しか留まらないということを考慮すると、この余裕はゼロ以上であれば何でも良いです。昔のサスフォークではちょっと太いタイヤを履いたらフルバンプで擦るのも日常茶飯事でしたから、自転車業界基準としては「だいたいゼロ以上」なら上等ってなもんです。
というわけで、好評発売中のSpinnerフォーク、だいたい27.5 x 2.4″までのタイヤが入ります。
実際には27.5″タイヤという最新規格のMTBであればほとんどが大径ヘッドチューブだと思われますので、そういうバイクにわざわざこのフォークを使う動機は薄いでしょう。しかし一方、O/S直管ヘッドで26″のMTBにこのフォークを入れると、ついでに前輪だけ27.5インチ化して新次元の走破性と取り回しの良さを両立!なんて風にセットアップで遊べる余地が出てきます。また、フレームによっては後輪も実は27.5″が入るものもあるでしょう。
前後異径というコンセプト自体は東京のワークショップ・モンキーが26/24インチで何十年も前に実現させているものでもありますが、ここに来て27.5″規格も絡める形でニッチな流行再来があるのではないかと個人的に予想しています。ま、27.5″であれ26″であれ、試してみるには割と気軽な41,800円のこのフォーク。ぜひご検討下さい。