SNSで既にちょびっと出した情報ですが、新しいプロトタイプができちゃいました。Tanatosフレームの進化版、テーパードヘッドチューブ仕様です。

各部、現行モデルと同じようでいて、実は変わっていない部分はほとんどありません。BBシェルくらいかな、寸法が全く同じなのは。ただし全ては微細な変更です。定評のジオメトリーはほぼそのまま。

現代のフォーク事情に合わせてコレ作ったのは良いのですが、よく考えたら私テーパードフォーク持ってませんでした。ですので、せっかくのテーパー構造に見合う強そうなフォークをチョチョイと手に入れてきました。初めてのFOX、シングルクラウンでは最強の36mmシリーズです。ただストロークが160mmと長すぎるので、目下、違法改造シャコタン化に勤しんでおります。

まずは比較的シャコタン化の容易なエアスプリングモデル。トップアウト規制側にスペーサーを挟むのが定番ですが、うちで販売しているSpinnerあたりと違い、単純な筒状スペーサーではなく断面がC型の割り入りタイプが必要になります。メーカー純正でも用意されているようですが、これが割れて困るという噂も。なのでちょっと本気を出しまして、おもむろにピンポンチを取り出し、ピンを打ち抜いて部材を外し、ツルッと筒状スペーサーを入れちゃいました。

これでエアの方は多分OK。次にコイルスプリングのモデルも試しちゃいます。こちらは難易度高めです。なぜかと言うと、トップアウト規制増しで全体を縮めるだけでなく、短いバネも必要になるからです。バネを切って、さらに炙ったり曲げたり削ったりして端面を仕上げるという作業を伴うのみならず、ばね定数の選定がかなりの腕試しです。

奥の方でビニール袋に包まれながら永遠の眠りにつこうとしているのが純正バネを切ったもの。これだと全然レートが足りません。大失敗。しかしここで、私の中に眠っていた車高短バネマイスター魂が覚醒します。今や昔、クラウンワゴンをきちんと走れるシャコタンに仕上げたときを思い出してごらん。バネレートは純正の何割増しなんてチンケなレベルじゃなく、純正の5倍くらいはあったじゃんよ、他車種流用でさ。規格外のものを作ろうって時に、純正を基準に考える意味がどこにある? 完成形を基準にするんだよ、あとはそこから逆算すれば、世界のどこかには使える部材くらいあるだろう?
という内なる導きに従い、インドからバネを買ってきて、切って端面整えて、とりあえずコイル版もそれなりにできたような気がします。あとは組んで乗ってみてのお楽しみ。
とは言うもののお外は雪模様だし、スノースポーツも楽しくてしょうがないし、ということで、まあボチボチ楽しみながら新製品テストを進めて参ります。ご期待ください。