1週間前の新製品情報に対し、思いのほか真に受けた方がいることが確認されましたので、慌てて解説します。
まず大前提として、新製品は作ります。設計もバッチリできています。しかし業界のコロナ狂気により、工場がキャパいっぱいいっぱいで、すぐには生産できません。年単位の待ちです。
待つ苦しみを和らげるべく冗談にしてみたんですが、3つ挙げた売り文句について、以下くわしく見てみましょう。
1. お値段据え置き!
現行の第2世代を生産して以降、原料費や製造費用は大きく値上がりしてしまいました。しかし、血の滲むような企業努力により、お値段そのままです。
まあこれだけじゃ業界外の方にはどうにも分かりにくいですが、価格据え置きは多分無理です。現行モデルの設計はいまだ世界最先端といえども、量産時期は10年前。原料も加工費もそこから大きく上がりました。世界最高レベルの信頼できるフレーム工場で生産し、溶接後熱処理というレーシングカー部品みたいな作り方をしている以上、価格に跳ね返るのは仕方がありません。むしろ今までが安すぎたんです。
2. やさしい大きさ!
身の縮むような企業努力の一環として、ホイールサイズは26インチから23.3インチとなり、あわせて各部の寸法も最適化。持ち運びや車への積み下ろしもラクラクの、やさしいサイズ感となっています。
要点1と併せて、端的に言えばこういうことです。
「血の滲むような企業努力」転じて「身の縮むような企業努力」ですから。「やさしい」という表現で全てをオブラートに包んで雑に誤魔化すのも基本テクです。
3. モンダセレクション受賞
モンダセレクション最高金賞を10年連続で受賞。世界が認めた高品質です。
結構がんばって作ったんですよ、モンダロゴ。
今後の10年分、まとめて受賞できるわけがないじゃないですか。それが前払いしてあるから確定!オッケー!ってシステムだったらうけるよね、って話です。
情報をチラ見して「いいね!」と反応していただくこと自体は大変ありがたく、励みになります。しかし一方、うそはうそであると見抜けることは大事ですよ。世間一般のフェイクニュースにはここまでヒントが散りばめられていることは少ないですから。