先月の話ですが、楽しかった自転車イベントのご報告。
「北海道スポーツサイクルフェスティバル2023」が5月の最終週末に開催されました。いわゆる試乗会です。自転車メーカーとして世界のトップレベルに君臨する数多のブランド(の日本代理店)がブースを出展し、来訪者は無料で色々試乗し放題という、有り難みMAXの神イベントです。100万円のチャリとかがゴロゴロしてるのを、好きにコロコロできるんです。ありがてぇ。
というわけで遊びに行きました。イチ素人として。
出展内容をザッと分けると、ロードレーサー6割、MTB2割、その他1割、加えて周辺グッズ1割という感じでしょうか。会場は札幌市の平野部を代表する東区にそびえる「つどーむ」敷地内の屋外エリア。試乗コースには多少の不整地セクションもありますが、舗装上の周回路がメインなので、それに合ったジャンル選択とも言えます。
なので、ここぞとばかりに普段乗らない(というか所有したことすらない)ロードレーサーを中心に試乗させてもらいました。
これ、楽しい。
フレームサイズやサドルの高さなどは各メーカー代理店の方がピタッと合わせてくれるのですが、そのズバリと的確なフィッティングにまず感動します。道具を体に合わせることと体を道具に合わせること、機材スポーツには必ずこの両面がありますが、どちらも奥深い世界です。そういうところで垣間見えるプロの仕事ぶりってかっこいいなーと思います。
自転車を合わせてもらっちゃったらもうあとはライダーの仕事なので、頑張って乗りました。電動変速もロードレーサーのディスクブレーキも初体験だったんですが、作り手がめっちゃ考えているおかげで、乗り手の順応負担は最小限に抑えられている感じです。これは私の作る自転車機材でも、世間の自動車でもスマートフォンでも同じですが、利用者が多くを考えずに直感的に使える道具を作るためには、モノを造る側はめちゃめちゃ色々考えて、ユーザーに引き渡す瞬間になんの言い訳も残っていない状態にするのが理想です。さすが各メーカー、良い仕事してるなぁ。
ひとつ嬉しかったことがありました。ダートジャンプ系のヘルメット被って場違い感が甚だしいクセにちゃんとロード乗れてるね、って主催者メンバーに褒められちゃいました。彼らは北海道の自転車シーンの立役者ってだけでなく元々ロードガチ勢でもあり、こんな風に言われるのは結構マジで身に余る光栄だったりします。
一応理由を紐解いてみると、結局どんな上手さを目指すのかという話かもしれません。MTBが上手いね、とか、あの技が上手いね、とかでなく、自転車に乗れてるね、身体の使い方が合理的だね、という次元に辿り着きたいと思って色々と考えたり実践して試行錯誤してきたことが実を結びつつあるのだとしたら、これほど嬉しいことはありません。
また、単純に高価な自転車が良かっただけではなく、例えば20万円台の比較的安価なロードレーサーがものすごく乗りやすかったりと、面白い発見もありました。言ってみれば、パキッと出来上がったレーストラックでF1カーをバシッと操れれば速いだろうけど、ベコベコの公道を素人が楽しく速く走ろうとするならカローラ至上じゃね?みたいな話です。これはこれで、かなり奥行きのあるトピックですね。
ちなみに北海道は実際かなり道路がベコベコなので、近年のロードレーサーのタイヤ幅広化(これも今回知った)の恩恵は大きそうな気がします。そうした機材の進歩を見て体感して学べたのも良い経験でした。
というわけで個人的に最高だったプチ異文化交流。コロナで3年間お休みして4年ぶりの開催でしたが、今後また例年通り、5月末か6月初旬の開催となりそうです。また次回をお楽しみに。