昨年から愉快な仲間たちと運営を始めた自転車イベント、パンプトラックサーキットが今年も開幕しました。3週間前に行われた緒戦の模様を軽くお伝えします。
ちなみにパンプトラックとは、ペダルを漕ぐのではなくコブを漕ぐことで加速する、MTBやBMXの楽しみ方のひとつです。その特色を最大限に表現するため、私達のパンプトラックサーキットでは「チェーンレス」規則があります。参加者の自転車、チェーンをぶった切ります。いやいや、そこまでハードコア突き詰めたらついて行けないよ~、というのももっともな話なので、小学生以下と大人のビギナークラスについては特例でチェーン有りです。
シリーズ戦らしく、毎回別会場での開催です。昨年はヒグマ問題のため変更があり、3戦のうち2会場が同じ(コースには多少の変更あり)となりました。今年は、満を持してまっさらな新会場からのスタートです。札幌市内でナイター設備まであるモトクロスコース&ショップ、ジャッジメントの全面協力を得て、この日のために特別コースを造成させてもらいました。
これがですね、うまくできちゃったんですよ。なにせディグクルーが凄腕だったので。裏テーマは「パンプか死か」。コブをきっちり漕げなければ失速して途中で足ついてケンケンせざるを得ない、けれど乗れていればスピードがつながる、魅惑の蟻地獄です。ま、とりあえず、大会当日の私のデモランの映像をどうぞ。
「え、けっこう遅いじゃん」と思った方、半分正解です。が、半分不正解です。もうちょいタイム詰めれたのは確かですが、これで当日の一番時計出してます。チェーンの有無を問わず、誰よりも速く走れました(もちろん私はチェーン無しです)。毎回私がデモランしてますが、誰にも負けなかったのは実は初めてだったような。ちょっと、いやかなり嬉しいです。
「自分向きのコース作りやがってコノヤロウ」と言われれば別に否定はできないんですが、そこが本筋でもないんですよね。むしろ「乗れていればスピードがつながる魅惑の蟻地獄」というのがポイントです。奥のテーブルトップに登りきれるのか?あ~駄目か?!という葛藤と、できた時の達成感。ハードルの位置。そこにパンプトラックの醍醐味があるだろう、という信念が体現できたように思います。
以下、ちょっとコースの細部を見ていきましょう。
スタートヒル。元のMXコースで一番大きなジャンプスポットの頂点です。
そこから下ると…
最初のコブ。コブがあるからウェーイ!と飛んだら失敗です。手前からバニーホップして、下り面を蹴って加速するためのフィーチャーです。
そこから第一バーム。しっかりGを受け止めてくれる造形です。これはほぼ全くいじらずにいけました。
折り返すと、今回イチから作った3連コブ。容赦なく大きいコブです。じゃないとパンプトラックの意味が無いのでね。
次のバームに飛び込んで曲がると…
登り返しセクション!最難関です。
逆側から。登り途中にコブで加速する造形って見たことありますか?私はありませんが、なぜかそのように実現しました。
しかしパンプが足りないと…
もちろん失速します。
それでもめげずに、ケンケンが必要ならすれば良いんです。
そこから飛び込む最終バーム。
ここでの蹴りがかなり大事です。
このバームも、ジャッジメントのディグクルーのおかげでバッチリ仕上がりました。重機の技がすごかったです。私もシャベルで仕上げ作業がんばりました。
そこからゴールまでは4コブ…
思い思いのスタイルでゴールを目指します。
今回特に何が面白かったかというと、各選手のこだわりです。勝つためにはここで何でもする、いいや俺は自分の美学にこだわる、いやいや今後の正しい伸び代に寄与する方向で行く、と、みんな健やかな葛藤と向き合っていたように見えました。そして、そのどれもが正しいのです。激アツの炎天下にもかかわらずみんな楽しく猛練習してくれて、全員が来たときよりも上手くなって帰っていきました。
そうした熱意に応え、その先へと夢を繋げていくこと、それが私たちの悲願でもあります。少しでもそれを具現化できたようで、とても充実した週末でした。ではまた、9月17日の第2戦でお会いしましょう。参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。